かわいい水冷PCをつくったので自慢させてください
はじめに
GW にかわいい水冷PCをつくりました。
今度こそ、完成! pic.twitter.com/P7RsOz167K
— bebebe (@__bebebe) May 4, 2020
写真だと青っぽく写ってしまうのですが、白ベースでピンクに光る水冷PCです。Splatoon の amiibo も載せてみました。かわいい。
せっかくなので、使ったパーツや組み立て過程を紹介していきます。 かわいいPCをつくりたい方の参考になれば幸いです。
要件
パーツ選びに先立って、今回作る PC で満たしたい条件を考えてみました。
まず第一は、PyTorch等のフレームワークを使ったNN学習を行えること。 これまで大学や会社でNN学習のためにGPUを回すことはあったのですが、自宅にはきちんとした環境がない状態でした。 自宅でもNN学習を気軽に試せるようにしたいので、そこそこのレベルの GPU を搭載することが第一の条件です。
もう一つ。 私が自作PCに興味をもったのは、TOKYO GAME SHOW でかっこいいゲーミングPCを見たのがきっかけでした。 水冷の管が縦横無尽に走って、ケースファンやメモリが発光しているようなPCですね。ツクモさんのブースの初音ミクコラボのPCも世界観があってかわいくて惹かれました。
TGSの後、ゲーマーの友達にゲーミングPCのことをきいてみたのですが、彼女も自作PCを持っていてピンクのケース×ピンクのクーラントの水冷PCにしているとのことでした。素敵!
見た目にもこだわったPCを作るのって楽しそうだなと感じていたので、これを機に自分もやってみようと思いました。
というわけで、
- NN学習に使えるそこそこのGPUを載せていて
- 見た目がかわいい水冷PC
を目指してパーツを選定しました。
パーツ一覧
パーツ | 製品名 |
---|---|
ケース | Sharkoon PURE STEEL White |
マザーボード | ASUS PRIME Z390-A |
CPU | Intel Core i7 9700K |
GPU | ASUS DUAL-RTX2070S-O8G-EVO |
電源 | CORSAIR RM750x White 2018 (CP-9020187-JP) |
メモリ | CORSAIR CMW32GX4M2C3200C16W |
ダミーメモリ | CORSAIR VENGEANCE RGB PRO Light Enhancement Kit White |
SSD | Crucial MX500 CT1000MX500SSD1/JP |
HDD | TOSHIBA MD04ACA400 |
ファン | CORSAIR LL120 RGB 3 Fan Pack with Lighting Node Pro White |
水冷Kit | Thermaltake Pacific C240 DDC Soft Tube Water Cooling Kit |
それぞれのパーツについて
要件に関係するものから選んでいきました。選んだ順に書いていきます。
ケース
ピンク色が好きなので、淡いピンク色のケースがいいな~と思い探してみたのですが、実店舗でもweb上でもピンクのケースはほぼ見つかりません。
小さいケースだとかわいい色のものもあるのですが、GPUをつけたり水冷することを考えると最低でもミドルタワーの大きさが必要です。 ミドルタワー以上のピンク色のケースは限定生産モデルなどでたまに販売されているみたいですが、私が探した時点ではどこも売り切れでした。
ピンクを諦めて、ある程度の数が出ていそうな白いケースを探してみると、かわいいものが見つかりました。
Sharkoon SSI-EEBフォームファクタ対応ミドルタワーケース PURE STEEL White 日本正規代理店品
- 発売日: 2017/10/22
- メディア: Personal Computers
すっきりしたデザインで側面が強化ガラスになっており、上側にはHDDや電源などを隠せるスペースがあります。見せPC向きです。ややコンパクトなミドルタワーですが水冷用のラジエーターをつけるスペースもあり、このケースに決めました。
GPU
NN学習フレームワークは NVIDIA CUDA の利用を前提としているものがほとんどです。AMD の GPU でも動かないことはないらしいのですが、素直に NVIDIA の GPU を選ぶことにしました。
NN学習用にGPUを揃えるとなると、TITAN シリーズや RTX 2080 Ti がいいのだとは思いますが、...お高いです...。
私の用途ではそこまで高速な学習が必要なわけではないので、一世代前の GTX 1080 Ti はどうだろうと思いましたが、こちらも人気で品薄&プレミア価格がついていました。
最終的に、GTX 1080 Ti に近い性能でコスパの良い RTX 2070 super を選びました。
余談ですが、このGPUを購入した直後にピンク色の RTX 2070 super が GALAX から発表されました。発表があとちょっと早かったら買っていたと思います...!
ピンクのGPUが発売されてる!!https://t.co/3uYgYVLhrG
— bebebe (@__bebebe) 2020年4月28日
つい最近ふつうのRTX2070super買っちゃったよ〜〜😭😭
CPU
GPU が NVIDIA なのであえて AMD にする理由もなく、Intel の CPU を選びました。core i9 までは必要ないけど core i7 は欲しくて、せっかくならcore i7 の中では最新のものがいい、ということで、Intel core i7-9700K にしました。
マザーボード
core i7-9700K に対応している Z390 チップセット搭載のATXマザーボードの中から選びました。ASUS PRIME Z390-A です。白くて光ります。
メモリ・ダミーメモリ
CORSAIR から白くて光るメモリが出ています。CORSAIRはメモリ以外にも白いパーツが豊富で、かわいいPCを組みたい人におすすめです。
CORSAIR DDR4-3200MHz デスクトップPC用 メモリモジュール VENGEANCE RGB PRO シリーズ 32GB [16GB×2枚] CMW32GX4M2C3200C16
- 発売日: 2018/09/10
- メディア: Personal Computers
メモリは16Gが2枚あれば十分なのですが、メモリスロットは4つ埋まっていたほうが見た目が良いですよね。そういうときに便利なのがダミーメモリ。
CORSAIR ダミーメモリモジュール VENGEANCE RGB PRO Light Enhancement Kit MM5117 CMWLEKIT2W
- 発売日: 2019/03/30
- メディア: Personal Computers
勝手に答えをいうと、左は本物のメモリだけど、右はダミーメモリ。ダミーメモリはメモリとしては使えないけど、光ります🤗 pic.twitter.com/Oa4xhj4nt9
— bebebe (@__bebebe) May 2, 2020
ファン
メモリとメーカーを揃えて、CORSAIR のファンにしました。白くて光ります。
Corsair LL120 RGB -White- Triple Pack PCケースファン 12cm FN1280 CO-9050092-WW
- 発売日: 2019/02/16
- メディア: Personal Computers
電源
こちらも CORSAIR のものです。サムネイルの写真は黒いですが、同じシリーズの白を買いました。
Corsair RM750x -2018-750W PC電源ユニット[80PLUS GOLD] PS794 CP-9020179-JP
- 発売日: 2018/04/14
- メディア: Personal Computers
今後GPU をアップグレードしたときにも対応できるように、容量は750W。
見た目も良いのですが、残念ながら私のケースの場合はほとんど見えなくなってしまいます。ケーブルが真っ白なのが素敵です。
SSD・HDD
SSDとHDDは外から見えないところに設置するので見た目にはこだわらず、スタンダードなものを選びました。
本格水冷キット
水冷は初めてなので、ThermalTake の入門用のキットを買いました。
CPUウォーターブロック、ラジエータ、ポンプ、リザーバー、チューブ、クーラントと本格水冷に必要なもの一式が揃います。
組み立て
組み立てていく! pic.twitter.com/rhzCsSQGV4
— bebebe (@__bebebe) 2020年5月2日
こうすればよかったと思う手順
組み立て中は水冷経路の水漏れのリスクが大きいので、水冷パーツは他のパーツとは別に先に組み立てるのが良いと思います。また、PCの起動テストまでは水冷経路にテスト用の精製水を入れた状態で行うのが良いと思います。
- ケース内にマザーボード・GPU・ラジエータ・リザーバーポンプを入れ、パーツの位置関係をよく確認してチューブを切る
- 水冷経路を組み立て、精製水を流して経路に水漏れがないかをマザーボードとは繋がずにチェックする
- マザーボードに必要部品と水冷経路をつなぎ、起動テストとOSインストールを行う
- テスト用の精製水をぬく
- ケースに部品を組み付け、配線を整理する
- クーラントを入れて、完成!
こちらのページを参考にすると良いと思います。
実際の組み立てでは
水冷関連で色々とミスしてしまい、手戻りが発生したり肝を冷やしたりいろいろありました。
GPUが入らない
まず、パーツの位置関係は確認したつもりでしたが、GPU取り付けスペースを確保するのを忘れていてチューブとGPUが干渉しました。
おわかりいただけるだろうか…GPU取り付けスペースを考えずに水冷パイプを通してしまったので、GPUが取り付けられません…
— bebebe (@__bebebe) 2020年5月3日
キットのチューブが多めに入っていたので、経路を再度作り直してどうにかなりました。作業中は水がマザボにかかってしまったらどうしようとヒヤヒヤしました。
水冷経路はできるだけその他のパーツと離しておくべきだった
先にマザーボードに必要部品と水冷経路をつないでしまったので、水冷経路の水漏れテストをマザーボードとつないだ状態で行うことになりました。万一のときのためにタオルでガードしながらでしたが、精神衛生上よくなかったです。
その他
水冷経路がからまないところはまずまず順調でした。
調整
水冷ポンプのモーター音
リザーバーポンプをケースに固定したところ、ポンプのモーターとケースが共振してビーンという大きな音がなるようになってしまいました。
対策するには、制振シートをはさむと良いらしいです。制振シートはうちにはなかったので、レジン工作用のシリコンマットで代用しました。小さく切ってケースとポンプの間にはさみネジ止めしたら、ビーンという音はしなくなりました。やっててよかったレジン工作。
LEDの色
LEDの色、デフォルトだと激しいですよね。
完全にパリピ pic.twitter.com/hFLHni8nRd
— bebebe (@__bebebe) May 3, 2020
LEDの色をピンクで統一したかったのですが、ここでちょっと困りました。 部品のメーカーごとにLEDの色の設定方法が違うのですが、複数のメーカーのパーツを使っていたので、それぞれに設定が必要だったり設定が干渉したりしています。(現在も一部未解決)
ラジエーターについているファン
このファン2機は ThermalTake のもので、マザーボードによってはファンのLEDをマザーボードのLED制御機能と連動させることができるようです。 ASUS PRIME Z390-Aはその機能には対応していなかったので、物理ボタンでプリセットの色を切り替える方法で設定しました。残念ながらプリセットの色にはピンクが含まれてなかったので、色合いが近い紫に設定しました。
メモリとケースファン
CORSAIR の LED 付きパーツは、iCUE というソフトから制御できます。濃いピンクと薄いピンクの二色でシフトするように設定してみました。かわいい。
マザーボード
マザーボードも光ります。ASUS のパーツの LED は Aura というソフトで制御できるのですが、Aura と iCUE は互換性を持っているようです。一度 Aura をインストールしたら、マザーボードも iCUE から制御できるようになりました。ただ、スタンバイ状態になったときは iCUE の設定ではなく Aura のデフォルト値が優先される(?)ようで、スタンバイ状態になるとマザボだけレインボーに光ってしまいます。なぜ...。ここは未解決です。
おわりに
水冷の組み立て手順や、LEDパーツの規格が揃っていないことなど、細かな反省点はありますが無事に組み上がりました。
予想以上にかわいい水冷PCができて、大満足です。昨日完成したばかりなのでまだこのブログを書くのにしか使っていないのですが、今後はNN学習用途でも活躍してもらおうと思います。