キーキャップを自作してみた
はじめに
最近自作キーボードにはまっています。特にかわいいキーキャップを集めるのにはまっています。
直近では Canvas や Baby Miami Backlit のセットを買いました。持っているキーボードの数よりもキーキャップセットの数の方が多くなってしまいました。
はーかわいいです。
ただ、キーキャップセットは少量しか生産されていないことも多く、欲しいものがなかなか手に入らなかったりします。 下の写真の Rainbow POM Jelly は2013年頃?に販売されたものらしいのですが、少数しか製造されなかったのか今はどこを探しても売っていません。
なかなか手に入らないなら自分で作ってしまえばいいのでは?と思い、キーキャップ作りを始めてみました。 何度か失敗しましたが、4回目でかわいいキーキャップができました。
自作キーキャップ、ついにきれいにできた〜 pic.twitter.com/qjR0psWOqn
— bebebe (@__bebebe) 2019年3月21日
これからキーキャップ作りを始めたい人の参考になるかもしれないので、うまくいかなかった部分も含めて記録を残しておこうと思います。
作り方の概要
今回はこのキーキャップの複製をつくることを目標にしました。XDAプロファイル、ころんとしていてかわいいです。
シリコンなどでキーキャップの型をとり、型にレジンを流し込んで固めて複製します。下の図のようなイメージです。
用意したもの
- キーキャップ
- UVレジン
- UVライト
- おゆまる(お湯でやわらかくなる粘土)
- シリコン
- 竹串 or 楊枝
- ボンド
- レゴブロック
- ワセリン
- 絵筆
キーキャップの素材には紫外線で固まるUVレジンを使いました。UVレジンはダイソーのハンドメイドコーナーに手芸用品などと並んで売っています。硬さや色がいろいろあるのですが、どれがうまくいくか試すためにいろいろ買ってみました。
UVレジンは晴れた日に日光があたるところに置いておけば30分くらいで固まるのですが、効率化のためにUVライトを買いました。ネイルアートに使うものです。
私が買ったのは5Wの小型のもので、magic mouse とほぼ大きさで場所をとりません。UVライトは36Wか9Wのものが一般的なので5Wはかなり低出力な方ですが、キーキャップなら5分もあれば固まりました。
シリコンはこちらのものを使いました。6時間ほどで固まるタイプです。
その他の材料は家にあったものを使ったり100均で購入したりしました。
型とり&成形
1. シリコン型
キーキャップをつくっている方のブログを参考にして、シリコンでキーキャップの型をとってみることにしました。
レゴブロックで枠をつくり、シリコン→キーキャップ→シリコンの順で入れます。軸に楊枝をボンドで軽く接着して、空気穴をつくっておきます。
固まった状態のものがこちら。寒天ゼリーみたいでおいしそうです。
キーキャップを型から取り出すためにキーキャップの軸側にL字の切り込みをいれて、シリコンをぐにゃっと曲げながらキーキャップを取り出しました。 (このあたりは作業に必死だったので写真が残っていません。)
レジンの注入口は確保していなかったので、キーキャップを取り出すときに作った切り込みからレジンを流し込みます。 切り込みにレジンのチューブの先をいれ、えいやとレジンを出して固めたものがこちらです。
キーキャップ第一弾、失敗😂 pic.twitter.com/JffnCrl3ww
— bebebe (@__bebebe) 2019年3月18日
レジンを流し込んだときに大きな気泡をつくってしまい、穴あきキーキャップになってしまいました。片手でシリコン型を広げながら片手でレジンを注入したのですが、レジンがどのくらいはいっているのか見えなくて難しかったです。注入口はあらかじめ確保したほうがよいですね。
2. おゆまる型
自作キーボード仲間のだんごさん(@dango_shippo)がキーキャップの作り方の動画を上げてくれていました。
超低コストで作る自作キーキャップ動画を作った!https://t.co/Cv7JKIsGr4 pic.twitter.com/fJCVjnFhND
— ダンゴ🍡 (@dango_shippo) March 17, 2019
この動画でおゆまるくんの存在を初めて知りました。 氷水で冷やすだけで固まるのでシリコンより手軽でいいな〜と思い、おゆまるを買ってきて動画の真似をして作ってみました。
そしてできたのがこちら。
だんごさんのとぜんぜん違う(笑)
バリが多いのもそうですが、全体的に形が歪んでしまいました。型とりの作業しているうちにおゆまるが冷えて固まってきてしまい、力をかけながらキーキャップを包んだのですが、そのときの歪みが型に残ってしまったのかもしれないです。おゆまるをよく柔らかくしておいて手早くやるのが大事そうです。
3. おゆまる分割型
キートップ側の形もしっかり作りたいので、次はキートップ側と軸側でわけて型をとってみることにしました。
まずキートップ側だけおゆまるで包みます。手早く!
とれた型はこんな感じ。
軸側の型もおゆまるで取ります。
ワンタンのようでおいしそうです。
そしてできた上下の型がこちらです。いい感じ。
軸の部分だけ先にレジンを流し込み、一旦ライトで固めます。
キートップ側にもレジンを流し込み、上下の型を重ねて型全体にレジンをいきわたらせます。
ここで気づいたのですが、上下の型の位置合わせのことを考えていませんでした。
位置合わせができないので軸がキーの真ん中にきているか怪しいですが...えいやと固めてみました。
軸、真ん中にきませんでした。側面も片側が厚く、片側が薄くなってしまっていますね。
型を上下にわけて作る作戦自体はよさそうです。キートップも軸もきれいに複製できているので、あとは位置合わせさえちゃんとできればうまくいきそう。
4. シリコン分割型
id:hdbx さんが上下分割型を使ってキーキャップを複製されていました。こちらのブログ記事では、LEGO to Keycap (L2K) ADAPTERS という治具を使い、レゴの凸凹を利用して位置合わせができるように型をつくっているようです。
L2K ADAPTERS すごい、私もほしい!と思ったのですが、
入手方法ですが、今のところは公式サイトのリンク先にあるShapewaysで3Dプリントをオーダーして購入する方法しかありません。私が注文したときは、オランダからの送料が$26くらいかかったのでTwitterで共同購入を持ちかけて購入しました。
だそうです。うーん。
しばらく考えて、レゴの凸凹を利用して位置合わせをするだけならL2Kがなくてもできるのでは?と思いついて試してみることにしました。
まず、キーキャップの軸におゆまるの塊をつけて、レゴのプレートに固定します。キーキャップの下がプレートにぴったりとつくようにします。
キーキャップの周りに枠をつくり、そこにシリコンを流し込みます。固まった状態でプレートからはがしたものがこちら。
これでキートップ側の型がとれました。キーキャップのまわりにレゴの凸部分の型もとれています。 次にこれをひっくり返して軸側の型をつくります。シリコン同士がくっつかないようにするために、シリコンの表面にワセリンを塗ります。
凹の部分にもワセリンがつくように絵筆でしっかり塗り込みました。
空気穴とレジンの注入口をつくるために、キーキャップの四隅と軸の上に棒をつけます。 竹串を短く切ったものを木工用ボンドではりつけました。
シリコンを流し込みます。
シリコンを流し込んだときに竹串が一本はずれました。
できあがった型がこちらです。ワセリンを塗っていた面がきれいにはがれました。レゴの凹凸も複製できています。
凹凸がはまるように上下の型を組み合わせて、穴からレジンを注ぎ込みます。
UVライトにあてて、とりだしたものがこちら。
おお!できている!?
ばりをとったら良い感じになりました。
よくみると細かい泡が入っていたりはしますが、ついにかわいいキーキャップができました。
他の色のレジンでも試してみました。
ミルキーカラーは粉末色素が混ざっているのですが、なぜか小さな気泡が発生しやすく、よくみるとところどころ泡が残っています。 クリアカラーの方が気泡が発生しづらくきれいにできました。
まとめ
レジンでキーキャップを複製することができるようになりました。
第1弾から第4弾まで並べてみると、ずいぶんと進歩しました。
ミルキーカラーでも気泡をいれずに作れるようになりたいなとか、強度がもうちょっと欲しいなとか、慣れたら複製じゃなくて犬やうさぎモチーフのキーキャップがつくりたいなとかの野望もあるので、今後もいろいろ試してみようと思います。
以上、レジンを使ったキーキャップの複製方法でした!